身体の歪みは積み重なる

進化

筋肉は使われるほど発達し、使われないと萎縮します。

この特性が身体が歪む原因であり、悪化する原因でもあります。

今日は、身体の歪みのプロセスのお話です

筋肉の特性が原因

筋肉は、骨と骨を繋ぎ関節を動かす役割をします。

関節には

  • 屈曲伸展(曲げ伸ばし)
  • 外転内転(身体の中心に近づいたり遠ざかったり)
  • 外旋内旋(骨を軸に外回し内回し)

と言う3つの動きがあり、それぞれの動きをするための筋肉が存在します。

筋肉が縮んだり緩んだりして関節の複雑な動きを可能にしているのです。

筋肉は自力で伸びられない

ここで重要になるのは、筋肉が緩むと言うことです。

筋肉は関節を動かす必要がない時は緩んでいる必要があります。

しかし、筋肉には収縮する機能は存在していても、伸びる機能はありません。

伸びるためには、対になっている筋肉が縮むことで引っ張られる必要があるんです。

例えば、肘を曲げる力こぶを作る上腕二頭筋と対になっているのは、二の腕部分の上腕三頭筋です。

腕を地面と水平にして身体の前に出した状態で、肘を曲げると上腕二頭筋が縮みます。

この時、上腕三頭筋が肘を伸ばすまでは、上腕二頭筋の長さは変わりません。

※腕を下げていると肘は重力に引っ張られて伸ばされます。上腕三頭筋の力を借りなくても伸びることが可能なため、上腕三頭筋が使われにくく二の腕の弛みの原因になります。

この対の筋肉がなんらかの理由で使われにくくなると筋肉は収縮した状態のままで関節を動かしたり支えたりして、次第に硬くなっていきます。

腕のように曲げ伸ばし以外の動きが小さい場合はねじれが起こりにくいのですが、股関節や肩など動きの大きな関節では、6つの方向が複合的になっていきます。

筋肉は使われるほど発達し、さらに脳との関係性が強くなりもっと使われやすくなります。

逆に使われない筋肉は萎縮して、脳との関係性が弱くなりもっと使われにくくなります。

結果、力の差がどんどん広がっていくことになり、強い筋肉ばかりが主で動いて関節に制限をかけるようになります。

付いてしまったクセはなかなか抜けない

強い筋肉を使って身体を動かすようになると、その筋肉を中心にして動かすクセがつきます。

例えば、背中の筋肉がうまく使えなくて胸の筋肉ばかりが発達すると腕を巻き込んで巻き肩になります。

立つために大腰筋を緊張させてしまう人は、股関節を曲げる時に太ももの前の筋肉を使うため脚を巻き込みやすくなります。

このように筋肉のバランスが崩れたり、他の筋肉で代用していると使われる筋肉と使われない筋肉の差が広がって、さらに強化されていくことになります。

日常の座る、立つ、歩くなどの動作でも、動きのクセが出るために強い筋肉は強化されねじれを強めていくことになるのです。

こうやって積み重なって体型を崩したり、痛みになったりするのです。

筋肉のバランスによって発生してしまったねじれは、筋肉を緩めるだけでは一時的な改善にしかなりません。

身体の歪みを修正しても、日々の動作で強化された動きのクセのためにすぐに使い方が変わらないためです。

緩めたはずの筋肉が、すぐに固くなってしまうのはこのためです。

筋肉の強化によって関節に付いてしまったクセはなかなか抜けないので、関節の動きを修正しながら地道に身体の動きを修正してく必要があるんですよ。

まとめ

筋肉を緩めて、その時は良くても筋力の強さや脳との関係性で戻りやすくなるため、動きを何度も身体に覚えさせて書き換えていく必要があるので、継続することが何よりも大切になりますよ。