【素朴な疑問】ヒップリフトがうまく出来ない

ヒップリフト運動フィニッシュ

ピラティスのムーブメントにもあるヒップリフトの動き。

ハムストリングスやお尻の筋肉のトレーニングなどでもよく出てきますが、なぜか背中や太ももの前、ふくらはぎなどに力が入ってしまったり、腰が反ってしまってうまくできないという人は意外に多くいます。

実は、ヒップリフト系の動きは、膝を立てた状態になる時に上手にできるかどうかが決まってしまっているんです。

では、どのように膝を立てれば良いのか。

今回は、ヒップリフト系の運動がうまくできない人にチェックしてほしいポイントをお届けします。

ヒップリストの運動

最初にヒップリストについて、おさらいをしておきます。

まずは、最初のスタートポジションです。

ヒップリフト運動準備

ヒップリフト運動は、仰向けになって両膝を立てた状態からスタートします。

フィニッシュポジションは、身体が一直線になります。

ヒップリフト運動フィニッシュ

両膝をかかとの上に乗せに行くようにお尻を上げてお腹を引き上げ身体を一直線にした状態でフィニッシュになります。

主要に使われる筋肉は、腿の裏のハムストリングス、お尻の筋肉、そして腹筋です。

これらの筋肉が、協力しあってキレイな直線になります。

エラー動作

では、キレイな直線にならなかったり、うまく出来ない理由はなんでしょうか。

よく起きるエラー

ヒップリフトでは、よく起きるエラーとして

  • 腰や背中が弓なりに反る。
  • 膝が閉じたり広がってしまって脚が並行にならない。
  • 股関節が真っ直ぐにならずにお尻が落ちてしまう。

などがあります。

また、ピラティスのムーブメントでは、お尻から背中にかけてシールを剥がすように順番に床から離れていきますが、ゆっくり剥がれずに背中から離れてしまうなどのエラーがあります。

では、なぜこのようなエラーが起きてしまうのでしょうか。

エラーの原因

エラーの原因としては、筋力不足や身体の連携がうまくいっていないなどがありますが、もっと簡単なことで起きてしまうことがあります。

それは、膝の曲げ方です。

ヒップリフト運動が上手にできるかどうかは、膝を立てた段階である程度決まってしまっているんです。

膝なんて、一方向にしか動かないのだから曲げ方なんてないと思いますよね。

実は、太ももの裏の筋肉がその鍵になります。

ハムストリングスによる影響

ハムストリングスの構造

最初にハムストリングスの構造についてです。

ハムストリングスは、坐骨結節から脛に向かう筋肉です。

ハムストリング

主なお仕事は、膝を曲げることと股関節を伸ばすことになります。

ヒップリフトでは、脚を踏ん張ってお尻を上げる時、”膝を強く曲げるように踏ん張る”と”坐骨を持ち上げる”という主要な動作に関係している筋肉です。

しかし、膝を曲げる筋肉なのでもっと前の段階、最初に膝を立てる動作の時にすでに動いているのです。

ハムストリングスによる膝の回旋

膝を立てる動作で、脛骨側の半腱様筋や半膜様筋と腓骨側の大腿二頭筋の収縮がアンバランスを起こしていると膝は外側か内側のどちらかに回旋しながら曲がります。

膝を立てた時につま先が外に開いたり、内側に寄っている場合は、膝の回旋がすでに起きている可能性があります。

そのまま、つま先だけを戻しても膝の回旋自体は起きてしまっているので、ハムストリングスは脛骨側か腓骨側のどちらかが強く引いた状態になっています。

どちらかにねじれている場合、引っ張られている方の筋肉に力が入りづらくなり、引っ張っている筋肉がより強く引くので、膝のねじれがさらに強くなります。

これが、膝が開いたり閉じたりする原因になります。

ハムストリングスの出力が下がる

また、ハムストリングスは全部で3つの筋肉が均等に膝を曲げ股関節を伸ばしていますが、アンバランスが起きると3つのすべての筋肉が使えていない状態になります。

そうなると元々の出力が出ていない状態になるので筋力が低下します。

ハムストリングス自体の筋力がない人は、使えていないことで更に筋力が発揮できなくなっているということです。

踏ん張りとお尻を持ち上げる初動の筋力が下がっているので、股関節が伸び切らなかったり、他の筋肉や骨格を使って持ち上げようとするので、太ももの前やふくらはぎに力が入ったり腰や背骨が反ってしまうわけです。

ハムストリングスの修正

つま先がまっすぐ引けない、膝が割れるなどのエラーがある場合は、ハムストリングスの動きの修正から行いましょう。

  1. 立った状態で、膝を曲げてみましょう。
  2. その時に、できるだけ脛の外と内の骨が均等に上がってくるように意識をします。
  3. つま先の方向が外側に向きやすい人は内側に、内側に向きやすい人は外側にしながら曲げていくと力が入りにくい感覚がわかると思います。
    ※太ももの後ろを触りながら、曲げ伸ばしをしてあげると筋肉の感覚がつかめますよ。
  4. まっすぐ曲げられるようになったら、今度は仰向けになってハムストリングスを意識しながらまっすぐ脛の骨を引き用せるように意識しながら、膝を立ててみましょう。
    ※かかとを床に滑らせるようにすると良いですよ。
  5. まっすぐに引けたら、最後に足の裏を踏ん張ってみてハムストリングスに力を入れてみてください。
  6. 外側と内側の両方に力を感じられたら、そこからハムストリングスを意識しながら股関節を伸ばしてみます。

均等に引ければ、膝が安定して動いていくので成功です。

膝が割れたり、力がうまく感じられない人は、膝を伸ばすところからやり直してくださいね。

まとめ

今回は、ヒップリフト運動がうまくできないという疑問にお答えしました。

ハムストリングスは、姿勢にも影響する筋肉です。

ハムストリングスのアンバランスで姿勢が崩れている可能性もあります。

ストレッチだとあまり効果がないと感じている人は、アンバランスンのチェックをしてみてくださいね。