【素朴な疑問】身体が安定しないのはなぜ?

バランスを取る人

ゴルフやテニスなどのスポーツをやっているお客様から身体の軸がブレてしまって安定しないというお話をよくいただきます。

身体の安定というとまず「体幹トレーニング」というイメージがあると思いますが、体幹が弱いから安定していないわけではないことも多いのです。

今回は、身体が安定しないと感じている方に、チェックしてほしいことをお話ししていきます。

軸がブレてしまう主な原因

軸がブレてしまう主な原因には何があるのか見ていきます。

体幹が弱い

まず、一番に言われる原因である体幹です。

体幹と言うといくつかの分類がありますが、手足を除く首から骨盤までの部分はだいたいの分類に入っていますので、今回はこの部分についてお話していきます。

体幹が弱いとは、腹部や背部などの体幹部を支えている筋肉が弱かったり柔軟性が低下していたりする状態です。

全体的に支える力が低下したり、一部が硬くなって前後や左右のバランスが崩れると姿勢が不安定になります。

この状態で、重いゴルフクラブや、素早くテニスラケットを振った場合、その遠心力に身体が引っ張られて軸がブレます。

動いた後に身体が安定せずにバランスを崩しやすい方は、このパターンが多いですね。

四肢の動きが先行しやすい

大人に多い動きのクセですが、体幹ではなく四肢(手足)の動きから先に動かしてしまうパターンです。

”手打ち”と行ったほうがイメージしやすいでしょうか。

身体を捻ってボールを打つタイプのスポーツは、まず重心移動から体幹部が動き始めてそれに引っ張られるように手が動くためにしなったような動きになりより強い力がかかって球威が増します。

しかし、ラケットやクラブを振ることに意識が行ってしまうと先に手で後ろに引く動作から始まってしまいます。

こうなると体幹で手を支える筋肉よりも先に腕や肩の筋肉が動き始めるためラケットの面やクラブのヘッドの軌道が安定しなくなります。

テイクバックの時は腕が先行して動いているように見えますが、実は背中の筋肉が関与しているんです。

「脇が開きやすい」と言われている方は、このパターンが多い傾向があります。

股関節の動きが悪い

身体をひねるタイプの動きは、基本的に股関節が主として動いています。

股関節の動きが悪いと膝や腰を使って代用することが多くなり、膝が回旋したり曲がったり、腰が反ったりという動作は入ってきます。

こうなると、弱い膝や腰がずっと動作を繰り返すことになり、疲労度が高くなります。

コースや試合の最初は調子がいいけど、中盤以降身体が疲れてしまって、軸がブレてしまうという方は体幹よりもこちらが原因の可能性もあります。

下半身の内旋

股関節の動きにも関わるのですが、下半身が内旋してX脚に近い状態になると下半身が身体を支えることができなくなります。

脚の筋力不足や、臀筋やハムストリングスが使えていなかったり、また男性に比べると骨盤の広い女性は膝の角度が大きくなりやすく、内旋になりやすい傾向があります。

こうなるとそもそも土台である下半身の軸がブレているので、全体にブレが生じてしまうわけです。

対処方法

では、それぞれに対処法を見ていきましょう。

体幹が弱い場合

身体がクラブやラケットに振り回されていると感じたり、バランスがすぐに崩れると感じている場合は、体幹トレーニングがおすすめですね。

ただ、一般的に言われている体幹トレーニングよりは、動きを伴ったトレーニングの方がおすすめです。

体幹部は、ほとんどのトレーニングで安定のために使われています。

なので、わざわざそこだけをトレーニングするより、スクワットや腕立て伏せなどの運動で体幹部を安定させるように意識しながらやってみてください。

動きながら体幹を使うイメージをとらえてみるといいですよ。

また、前後や左右のバランスが崩れていると感じている場合は、固まっている部分をストレッチでリリースしたり、左右差のある部位のバランスを整えるように鍛えてみてください。

四肢が先に動く場合

まずは、全身をつかって手をしなやかに動かすトレーニングをしてみてください。

でんでん太鼓のように身体を左右に振りながら手を身体に巻き付けるトレーニングや、身体の回転を使ってボールを投げるなど、身体から手を動かすイメージで行ってみてください。

また、このタイプの方は肩の外旋運動が苦手だったり、背筋が使えていなかったりすることも多いので、外旋や背筋のトレーニングもおすすめです。

肩の内外旋
肩の外内旋

股関節の動きが悪い場合

股関節の動きが悪い場合は、股関節の動きを重点的に意識してみましょう。

股関節の動きの中でも、股関節の外内旋の動きが重要になっていきます。

股関節の外内旋

仰向けに寝た状態で脚を伸ばし股関節から動かすイメージでつま先をワイパーのように内側と外側に動かしてましょう。

左右の脚はワイパーとは違い、内側の場合は左右はハの字、外側の場合は、逆ハの字になるように動かします。

動きがイメージできたら、今度は立ち上がって脚を軸にして骨盤側で外内旋をコントロールするようにしましょう。

脚だと簡単に感じますが、同じ動きを骨盤側でやろうとすると膝が動いてしまうので、根気よく続けてくださいね。

下半身の内旋

この場合は、まずX脚を修正しましょう。

股関節の外内旋運動や、臀筋やハムストリングスの強化などで改善できますよ。

まとめ

今回は、体幹だけではない身体のブレについてお話しました。

体幹が弱いわけではないのになと感じている方は、ぜひ他の原因がないか鏡などでチェックしてみてくださいね。