筋肉を知ろう(上腕二頭筋)

バーベルカールをする男性

筋肉を知ろうシリーズ、今回は、腕の力こぶの正体である上腕二頭筋です。トレーニングの種類に関係する上腕筋も一緒にご紹介していきますね。

構造

上腕二頭筋も三頭筋と同じように名前の通りで片側が2つに分かれています。その下に隠れるように上腕筋が付いています。

上腕二頭筋

上腕二頭筋

まず、上腕二頭筋は肘側では橈骨と呼ばれる親指側の骨の内側に付いています。

ここに付いていることで、回外と呼ばれる手のひらを外側にひねる(親指を外側に向ける)動きにも関係しているんですよ。

回内回外運動

反対側は、長頭と短頭に分かれています。これも、名前は特に覚えなくて大丈夫ですよ。

長頭、短頭ともに実は腕の骨ではなくて肩甲骨に付いています。

短頭は、烏口突起と呼ばれる肩甲骨の一部で鎖骨の下側から少し出っ張っている部分に付いています。

長頭は、腕の骨の上を通って鎖骨の下辺りの肩甲骨に付いてます。

どちらも、肘と肩の2つの関節を跨いでいて、前方から付いているか少し横側から付いているかの違いです。

上腕筋

対して、上腕筋は上腕二頭筋とは逆の小指側の尺骨についています。

反対側は、腕の骨の中央部分に付いていて肘関節だけを跨いでいます。

上腕二頭筋/上腕筋が動くと

上腕二頭筋

長頭も短頭もどちらも2つの関節を跨いでました。なので、どちらも2つの関節の動きに関わってきます。

肘を曲げる、前腕部を回外する(親指を外側にひねる)運動は差異はありません。

長頭と短頭の動きが違ってくるのは、肩関節の動きです。

肩関節に対して前から付いている短頭は、肩を曲げる動作や、内側に回旋したり脇を締める動作の補助をします。

対して、長頭は曲げる動作には若干関与しますが、脇から腕を外側に広げる動作の補助をします。

肩の動きに関しては、どちらも主で動く筋肉があるため、お手伝い程度の動きだと思ってください。

上腕筋

上腕筋は、肘関節のみを跨いでいるので上腕二頭筋と一緒に肘を曲げる動作に関わってきます。

また、上腕二頭筋とは違って尺骨に付いているため回外動作には関係しません。

トレーニングの種類

では、それぞれどのようにアプローチしていけば良いのでしょうか。

長頭を鍛えたい

上腕二頭筋は、回外運動も一緒に行うと効果的です。

長頭は、外側に位置し側面から肩につながっているので、胸が開きやすいインクラインカールや狭めのグリップのバーベルカール、ロープでのケーブルカールなどが刺激を感じやすいと思います。

短頭を鍛えたい

長頭と同じく回外運動を意識してください。

特に、ダンベルを持つ場合は中心よりも親指側に寄せてグリップを持つと効果的です。

短頭は内側に位置して肩を曲げる動作にも影響するためコンセントレーションカールや、腕の幅がワイドなバーベルカール、ノーマルグリップのケーブルカールなどが効かせやすいですね。

バーベルカールをする時に、EZバーを使って行う方もいると思いますが、EZバーはグリップの位置によっては強制的に回内運動になってしまうため、フラットなバーベルの方が刺激が入りやすいですよ。

上腕筋を鍛えたい

上腕筋は、上腕二頭筋と一緒に肘を曲げる時に使われるので、上腕二頭筋のトレーニングと同じ内容でも刺激が入ります。

ただ、上腕筋は動作でも説明したように回外動作に関わってきません。

そのため回外動作を入れないで動かすとより上腕筋の刺激が強くなります。

より上腕筋に効かせたいのであれば回外動作を行わないダンベルハンマーカールや、回内動作になるリバースグリップでのトレーニングが効果的ですよ。

また、肘関節にしか関与しないので肩を動かさないようにしたり、ゆっくり動かすことで上腕二頭筋に働きを抑えることができますよ。

どのトレーニングの場合も、基本は反動を使わないように気をつけましょう。

背中のトレーニングでも使われます

腕の筋肉は、基本的に肘を曲げる動作に関与するため、ローイングや懸垂などの引っ張る動作の多い背中のトレーニングでも刺激が入ります。

特に、懸垂などはうまく背中の筋肉が使えないと腕の筋肉だけで身体を持ち上げようとしてしまいがちです。

垂が1回もできない、ジャンプなどの反動を付けないとできないと言う場合は、背中より腕の筋肉を主に使っている可能性があるので、チューブやマシンなどの補助を入れながら、背中の収縮を感じるようにすると腕に頼らない懸垂ができますよ。

まとめ

今回は、腕の角度や手のひらの方向でそれぞれの部位への刺激が異なっていましたね。

どの部分を鍛えたいのかで、手のひらの方向なども意識してみてくださいね。

トレーニングの画像や映像は随時追加していく予定です。しばらくお待ち下さい。