見た目だけじゃない怖いO脚などの脚の形

赤ちゃんの脚

女性の脚の悩みに多いO脚。

見た目が悪いだけと思っている人もいるようですが、実はO脚は見た目以上に脚の関節に負担をかけているんですよ。

今回は、そんなO脚などの脚の形状に関するお話です。

気になる脚の形

気になる脚の形でよく言われているのが、O脚以外にX脚やXO脚、また反張膝などがありますよね。

脚の形状

これらの脚の形が悪くなるのは、生理的な原因と病理的な原因があります。

生理的な原因

元々、乳児はO脚の状態で生まれてきます。歩行を始めると徐々にX脚に近づいていき、7歳ぐらいで成人の脚の形状に近い形になると言われています。

これは、生理的な変化であって、小学生の中学年ぐらいまではあまり脚の形に拘らなくても問題ありません。

ただし、変なダイエットでの栄養不足や逆に体重が増加しすぎることで、身体の成長が阻害されたり異常な負荷がかかったりしている場合は注意が必要です。

また、中学生以上になってからO脚やX脚と思われる脚の形状は、立つ時や歩く時のクセや悪い姿勢のよる筋肉のアンバランス、運動不足による筋力低下などによって起こります。これらも生理的な原因になります。

生理的な場合は、左右対称に起こり痛みを伴わないことが多いので気にはなるけど放置しているという人も多いのではないでしょうか。

病理的な原因

病理的な原因については、成長段階での骨の変形や怪我などによる骨や靭帯の損傷などによって起こります。

これは、全てお医者さんの範疇です。

怪我をした経験があるとかひどい痛みを伴う、左右で形が違うなどの場合は、まずはお医者さんに相談するようにしてくださいね。

なぜ怖い?脚の形

O脚やX脚などの脚の形が、怖い理由は下半身にある股関節、膝、足首などの関節に本来であればかかることがない負担がかかります。

O脚は、膝が本来よりも外側に広がっている状態ですよね。

そうすると膝に対して垂直にかかるはずの体重が、膝の外側に向かってかかることになります。

X脚の場合は、逆に膝の内側ですね。

これに合わせて股関節や足首も垂直ではなくて横方向の力が加わることになります。

股関節は、球状の関節なので横方向の動きもありかなり強い靭帯でしっかりと骨盤と骨がハマっています。

構造上、力が加わってもそこまで関節に大きな負担がかかるというわけではないですが、それでも関節を安定させるためにその周りの筋肉が発達することになります。

これが、骨盤周りが大きく張り出す原因です。

足首は、距骨(下図のピンクの部分)と呼ばれる骨を脛骨と腓骨という2つの脛の骨が挟んでいるような構造をしています。

足首の距骨

この構造のため、横方向の力がかかると2つの骨が前後にズレたりすることがあります。

そうすると土踏まず側に踵の骨が倒れて親指が内側に巻き込まれたりして外反母趾の原因の一つになったり、ズレた脛の骨を支えるために脛の外側が強く張り出したりすることがあります。

O脚の人が、痩せているのに骨盤周りが大きかったり、脛やふくらはぎが太くなるのはこのようにズレた部分を筋肉が補強するためです。

変形が起こりやすい膝

動きをある程度受け止められる股関節と足首に比べて、膝はダメージを受けやすい構造をしています。

脚の骨

画像を見てもらうとわかりますが、膝の部分というのは股関節や足首のように骨同士がしっかりと組み合わさった形ではなく、太ももの骨と膝の骨を靭帯や関節包などが支えているだけの構造をしています。

この構造のために、可動域が大きくなりますが安定性にかけます。

なので、横方向に負荷がかかると上下のそれぞれの骨もその方向に倒れます。

膝には、半月板と呼ばれる軟骨があるため直接ぶつかることはないですが、半月板に強い負荷がかかることになります。

もちろん、骨もぶつかるわけですから衝撃が加わることになります。

脚の筋力があれば、ある程度の衝撃を筋肉がカバーしてくれることもありますが、元々筋力が弱かったり、ハードに動きすぎたり、加齢で筋力が低下してくると支えられなくなって膝のネジレなどによる負荷を骨や軟骨が直接受けることになります。

こうなると半月板を損傷したり、変形性膝関節症などの原因になってしまうわけです。

体操などの効果

O脚やX脚は、すでに外見的な変化が起きている状態です。

こうなると、筋肉はその形状に合わせて発達していることが多いために、一般的に言われている体操などは効果が出にくいことがあります。

これは、筋肉が使われている部分だけが発達する性質をもっているため、本来使うべき部分の筋力は発達しておらず体操によって動いていない可能性があるからです。

特に、動きの悪い筋肉は脳との関係性も下がっているため、意識して動かすこと自体が難しい場合もあります。

なので、安易に体操などで修正しようとはせずに、まずは専門家に相談してみてくださいね。

まとめ

脚の形状は、見た目だけでなく変形などを起こして怪我につながるかもしれないというお話でした。

最近はアニメなどの影響なのか、可愛く見えるからとあえて少し内反膝の状態にしている人も多いようです。

身体への負荷は蓄積していくものなので、あまり負担をかけるような体勢はできれば避けたほうが良いですよ。