なぜ筋肉は細くなるのか

散歩する老夫婦

骨折などでギブスをして固定していると外した時に、筋肉が痩せて細くなっているのを見たことがありますか?

これは、廃用性萎縮と呼ばれる筋肉が細くなる現象です。

今回は、筋肉はなぜ細くなるのかとその予防というお話です。

動かさないことが原因

身体は、生命維持を最大の目的としています。

現代のように、食べ物を耕作したり、養殖したり、保存する方法が発達していなかった時代、生物は食べ物が食べられないことにより栄養を補給できずに餓死するということが起きていました。

なので、エネルギーを脂肪として溜め込むシステムや、逆にエネルギーを消費をなるべく減らそうとするシステムが身体に備わってきました。

筋肉はあるだけで基礎代謝を上げてエネルギーを消費するので、できれば少ないほうが餓死する確率は下がります。

しかし、植物と違って動物は他から栄養を摂取する必要があるため、食べ物を求めて移動する必要があります。

移動するために、筋肉を使って関節を動かす必要性があるので、筋肉がエネルギーを大量消費するとわかっていても排除することが困難なわけです。

ところが、ギブスなどで固定して安静状態が続くと移動する必要性を感じなくなった身体は、消費エネルギーを減らそうとして、筋肉を萎縮させようとします。

これが、筋肉が痩せて細くなっている原因なのです。

予防しよう

若いうちは、何らかの理由で筋肉がやせ細ったとしても動くようになれば次第に回復していきます。

しかし、年齢が上がるとさらにサルコペニアと呼ばれる全身の筋肉量が減少する現象が起きてきます。

使わないだけでなく、年齢によっても筋肉が痩せやすくなってしまうということです。

加齢による筋肉量の減少と動かないことによる筋肉の萎縮が重なると元に戻すのが難しくなってきます。

厄介なのは、落ち込んだりうつ症状になるなど気分的にも低下しやすくなることです。

こうなると、運動をしようなど前向きな行動に繋がりにくくなり、外出しなくなるなど運動量がドンドン減少していますことになります。

なので、早いうちから身体を動かすクセをつけて予防することがとても大切です。

特に、生活が便利になってベッド生活で布団の上げ下ろしがなくなったり、洋式便器の普及でしゃがむ動作がなくなるなど足腰を使わなくても済んでしまう生活環境で、大幅に身体を使う機会が減っています。

動かなくなるというのが一番危険なので、意識的に身体を動かすようにしましょう。

まとめ

コロナで外出が難しい状況が続いて過度の運動不足になっている人が増えています。

ご自宅で体操するなど少しでも動くようにしてくださいね。