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スクワットだけじゃ足りない?~羽状筋・紡錘筋~知ると変わる軽やかな身体

スクワットだけじゃ足りない?~羽状筋・紡錘筋~知ると変わる軽やかな身体

「頑張っているのに、なぜ?」と感じたことはありませんか

「下半身を鍛えるにはスクワット」と聞いて、毎日続けている。
それなのに、階段で足が重く感じたり、ちょっとした段差でバランスを崩しそうになったり。

「ちゃんとやっているはずなのに…」
そう思ったこと、ありませんか?

実はそれ、あなたのせいではないんです。
身体には「支える筋肉」と「動かす筋肉」の2つのタイプがあって、スクワットだけでは片方しか鍛えられないから。

今回は、その2種類の筋肉のタイプのお話をします。

身体には「支えるタイプ」と「動かすタイプ」がある

筋肉は大きく「支えるタイプ=羽状筋(うじょうきん)タイプ」と「動かすタイプ=紡錘筋(ぼうすいきん)タイプ」に分かれます。

難しそうな名前ですが、役割はとてもシンプルです。

羽状筋タイプ

ふくらはぎのヒラメ筋の羽状筋構造を、鳥の羽根のイメージと一緒に分かりやすく見せたイラスト

筋線維が羽のように斜めに並んで密集した構造のタイプ。
大きな力を出すことが得意で、立つ・踏ん張る・押すなど「身体を支える」動きを担当します。

代表的な筋肉:太ももの前側(大腿四頭筋)やふくらはぎ(ヒラメ筋)。

日常動作では、立ち上がりや階段で頼りになるタイプです。

紡錘筋タイプ

女性が力こぶを作り、上腕二頭筋の紡錘筋構造と紡錘(糸車)の由来を示したイラスト

筋線維がまっすぐ並ぶ構造の糸巻きのような形のタイプ。
関節を大きく、しなやかに動かすことが得意で、歩く・ひねる・方向を変えるなど「動きをつくる」役割を持ちます。

代表的な筋肉:太ももの裏側(ハムストリングス)や力こぶの筋肉(上腕二頭筋)。

スムーズな歩行やバランスの良い動きに欠かせない筋肉です。

2種類の筋肉が支え合うから、身体は動く

私たちの日常は、「支える力」と「動く力」の両方が必要です。

重い荷物を持ち上げる力強さも、
階段を軽やかに降りるしなやかさも、
急に立ち止まるときのバランスも。

羽状筋タイプが「支える力」を、
紡錘筋タイプが「動きを整える力」
分担することで、身体は安定して滑らかに動けるようになっています。

もしこの配置が逆だったら…
階段で膝がガクッとしたり、歩くたびに脚がつっぱったりして、日常の動作がとても不安定になってしまうんです。

ちょこっと補足

この筋肉の構造、実は100m走の選手もウェイトリフティングの選手も同じなんです。トレーニング内容などで筋肉のタイプが変わるわけではなく、人の身体に共通する「基本仕様」。誰もが同じ設計図を持っているんですね。

セルフチェック―あなたの「動きを整える力」は大丈夫?

ちょっと試してみてください。

  • 片足立ちで、目を開けたまま10秒キープできますか?
  • 歩くとき、以前より歩幅が小さくなってませんか?
  • 振り返るとき、身体全体が固まったように動いていませんか?

ひとつでも当てはまったら、「動きを整える筋肉」が少しお疲れのサインかもしれません。

スクワットだけでは補えないもの

スクワットは、とてもいい運動です。
太ももの前側やお尻の筋肉をしっかり使って、「支える力」を育ててくれます。

でも──

年齢とともに先に落ちやすいのは、実は「動きを整える力」の方なんです。

加齢で衰えやすいのは「制御」と「しなやかさ」

紡錘筋が弱ってくると、こんな困りごとが増えてきます。

  • ちょっとした段差でつまずきやすくなる
  • 歩幅が小さくなって、歩くのに時間がかかる
  • 振り向いたり、身体をひねる動きがぎこちなくなる
  • 転びそうになった時に咄嗟に脚を出して身体を支えられない

「転ばない身体」「疲れにくい身体」をつくるには、スクワットで「支える力」を鍛えるだけでなく、動きを整える力」も一緒に育てることが大切なんです。

2つの筋肉タイプは、動きによって主役が入れ替わる

実はどんな動きでも、羽状筋と紡錘筋の両方が働いています。
ただし、その動きで “何が求められているか”(力なのか、バランスなのか)によって
主役が入れ替わるんです。

🏋️‍♀️ スクワットの場合

しっかり力を出す動作では、羽状筋が主役になって働きます。

✨ 役割:

  • 主役:羽状筋(パワーを生む筋肉)
  • サポート:紡錘筋(動きを整える筋肉)

💡 得られる効果:

立ち上がる力・踏ん張る力がアップし、下半身の安定感が生まれます。

🤸‍♀️ バランス・ひねり動作の場合

細かいコントロールが必要な動きでは、紡錘筋が主役に切り替わります。

✨ 役割:

  • 主役:紡錘筋(動きを整える筋肉)
  • サポート:羽状筋(安定を支える筋肉)

💡 得られる効果:

つまずき防止、方向転換がスムーズに。日常の歩きやすさが変わります。

だからこそ——
スクワットのような“力のトレーニング”だけでは、本来の身体のしなやかさは引き出しきれません。

力を出す動き(羽状筋)と、動きを整える動き(紡錘筋)
その両方をバランスよく使うことで、毎日の歩きやすさや安定感がぐっと変わっていきます。

軽やかに歩ける身体をつくる、やさしいケア

「じゃあ、何をすればいいの?」

その答えは、とてもシンプルです。
力を出す筋肉”と“動きを整える筋肉”の どちらも優しく目覚める動き を、日常に少しだけ足してあげること。

それだけで、歩く・立つ・方向を変える動きがぐんとスムーズになります。

今日からできる4つのやさしい動き

🦶 片足立ち

女性が歯磨きをしながら片足立ちをしてバランスを整えているシーンのイラスト

朝の歯磨きのついでに、片足で10秒ずつ立ってみましょう。自然にバランス力が目覚め、足元が安定します。特別な道具もいらず、習慣にしやすいケアです。

🌀 ゆっくり体をひねる

ダイニングチェアに座った女性が、ゆっくり身体をひねって背中と腰をほぐしているシーンのイラスト

椅子に座って、ゆっくり後ろを振り返るだけ。背中と腰がふわっとほぐれ、動きを整える筋肉にやさしくスイッチが入ります。ひねりが滑らかになると、歩きやすさや安定感も自然と変わってきます。

👣 クロスステップ

女性がリビングで足を交差させながら歩くクロスステップをしているシーンのイラスト

足を交互に交差させながら横にゆっくり歩くだけのシンプルな動き。左右の連動性が高まり、動きの協調性が戻ってきます。日常の「振り返る」「方向転換」がスムーズになる練習にぴったりです。

💫 レッグスイング

女性が椅子の背に手を添えて、脚を前後にスイングさせるダイナミックストレッチをしているシーンのイラスト

椅子に触れてバランスを確保しながら、脚を前後にゆっくりスイング。必要なところが自然に伸びて、可動域が広がります。しなやかに動ける身体づくりに役立つ、やさしい全身ストレッチです。

やさしい動きが、動きを整える筋肉を育てる

これらの動きはどれも、「動きを整える筋肉」を無理なく目覚めさせるケア です。

続けるほどに

  • つまずきにくくなる
  • 歩きやすくなる
  • 疲れにくくなる

そんな変化を、ゆっくりと感じられるようになります。

特別な道具も、きつい努力もいりません。
「気持ちいいな」と感じるくらいのペースがちょうど良いんです。

少しずつ続けていくうちに、自然と“軽やかに動ける身体” に変わっていきます。

まとめ―身体は「使い方」で変わる

スクワットで「支える力」を、ひねり・バランス系の動きで「動きを整える力」を。

2つの筋肉タイプをバランスよく使うことが、しなやかで力強い身体をつくるポイントです。

これは転倒予防のためだけではありません。
「毎日の動きが、ちょっと軽く感じる」ようになるための、やさしい習慣です。

身体は年齢ではなく、「使い方」で変わります。
今日の小さな気づきが、未来の大きな変化につながります。

あなたの身体は、まだまだ変われる。
そのことを、少しずつ思い出していきましょう。

羽状筋と紡錘筋はどこにありますか?

羽状筋と紡錘筋は、特定の筋肉のことではなく筋肉の構造による種類の名称です。
羽状筋の代表例は、太ももの前側(大腿四頭筋)やふくらはぎ(ヒラメ筋)です。紡錘筋の代表例は、太ももの裏側(ハムストリングス)や力こぶの筋肉(上腕二頭筋)です。身体の「前側は支える、後側は動かす」という傾向があります。

歩くとき歩幅が小さくなったのですが、改善できますか?

はい、改善できます。歩幅が小さくなるのは、紡錘筋(特にハムストリングス)の柔軟性と筋力が低下しているサインです。レッグスイングで可動域を広げ、クロスステップで左右の連動性を高めることで、自然と歩幅が広がり歩きやすくなります。

何歳から筋肉の衰えを気にすべきですか?

筋力は30代から徐々に低下し始め、特に40代以降で実感しやすくなります。ただし、筋肉は年齢よりも「使い方」で変わります。何歳から始めても遅すぎることはなく、適切な運動を続けることで、いつからでも筋力とバランス力を改善できます。

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