[素朴な疑問]ストレートネックは治りますか?

首を触る女性

ストレートネックって聞いたことありますか?

スマホ首と呼ばれることもありますが、首の骨の状態のことを言います。

パソコンやスマホの普及で増えているストレートネックですが治るんですか?という質問をいただきました。

今回は、ストレートネックについてのお話です。

ストレートネックって何だろう?

最初にストレートネックについて見ていきましょう。

首の部分の骨である頸椎は背骨の一部で頭蓋骨とつながっている部分です。

背骨

背骨全体のS字に合わせて頸椎は、前方に湾曲を描く構造をしています。

ストレートネックは、この湾曲がなくなって真っすぐな状態になってしまっていることをいいます。

ストレートネックと正常な頸椎

整形外科さんなどで「ストレートネック」と言われたというお話を聞きますが、ストレートネック自体は病名というわけではなく骨の状態のことを指しているんですね。

ストレートネックはなぜ危険なのか?

ストレートネックという頸椎の状態は、たしかに病気ではないのですがちょっと厄介な問題を起こす可能性があるんです。

筋肉の疲労や硬直

元々背骨はS字のカーブをつけて脳への衝撃を和らげるクッションのような役割もしています。

しかし、ストレートネックになると頭は背骨よりも前方に傾いたような状態になってしまうため、5kgぐらいあると言われている頭を背骨で支えることができずに、首や肩などの周りの筋肉で無理やり支えることになります。

そうすると首や肩周りの筋肉が疲労しやすくなり、ガッチリと固めて血流を悪くして凝ったり痛みが出たりすることになってしまいます。

また、ストレートネックになってしまう人は首だけでなく背骨全体が大きく後ろに湾曲していたり、反り腰と猫背のように腰と胸の部分が大きく湾曲しているなどしているので、同時に背中や腰にも負担がかかっていることがあり腰痛などの原因にもなってしまいます。

神経への影響

もっとも厄介なのが神経への影響です。

頸椎と頭蓋骨の接触部分は脳と身体をつなぐ大本の部分なので全身の神経が通っています。

本来であれば、頭蓋骨に対して背骨は垂直な関係にあります。

しかし、ストレートネックになると頭蓋骨と背骨の関係は垂直ではなくなり頭蓋骨の後部と頸椎が近づくようになるためにこの部分が圧迫されてしまいます。

頸椎を通る神経が圧迫されてしまうと手にしびれがでたり、頭痛や吐き気などの異常を起こすことがあります。

また、頭の位置によっては頸椎に更に負荷がかかって頸椎にヘルニアなどの何らかの異常を起こすこと原因にもなることもあり、さらに症状が悪化することもあるので注意が必要なんですよ。

ストレートネックは治るの?

ストレートネックについては、骨の状態の変化であって変形しているわけではないため改善する可能性はあります。

ただし、頸椎にヘルニアなどの何らかの異常が起きている場合もありますので、必ず一度は整形外科さんでレントゲンを撮ってもらって、頸椎などに問題がないかどうかを診断してもらうようにしてください。

ではストレートネックを改善していくのですが、単純に首の形状を戻せばいいというわけではありません。

すでに身体全体がストレートネックに対応するように変化しているので、身体全体からストレートネックになる要素、ないし現在ストレートネックになっている状態を安定させている要素を取り除く必要があります。

ストレートネックになる要素

ストレートネックになる要素は、背骨の状態や骨盤の状態です。

姿勢が悪くなっていることで起こりやすいストレートネックは、背骨が強く湾曲したり骨盤が酷く前傾、後継していると起こりやすくなります。

なので、頸椎に対するアプローチと一緒に背骨や骨盤の状態の改善や、股関節の動きも同時に改善していく必要があります。

ストレートネックになっている状態を安定させる要素

ストレートネックになっている状態では、例えば首周りや肩などの筋肉が硬直したり、肋骨上部が圧迫されたり、鎖骨や肩甲骨が前方に引っ張られて猫背になるなどの他のところで頭を支えるような身体の状態になっています。

筋肉の硬直は首や肩だけでなく、肋骨周りにある筋肉だったり背筋なども支える状態で硬直していることもあります。

これらの筋肉が固まっている状態では背骨が伸びにくく、無理に頭を後ろにひこうとすると動きやすい腰だけを動かしやすくなるため腰痛を併発しやすくなります。

また、ストレッチしても一旦筋肉が緩んでも筋肉を硬直させて身体を支えるクセがついているので元に戻りやすい原因です。

改善のプロセス

2つの要素を取り除いていくことで身体全体のバランスが戻ってストレートネックが改善していくことになります。

最初は身体の状態を把握していきましょう。

現在どのように頭を支えるような構造になっているのか。それによって、身体のどこが固くなってしまい姿勢にどのような影響を与えているのかを見ていきます。

その上で、身体を緩めたり動かしたりしていきます。

身体の状態は人によって異なるので、自己判断ではなく整体師やトレーナーの人に見てもらうことをおすすめします。

特に状態を安定させる要素は元の状態に戻る原因にもなるので、緩めたあとは正常な身体の状態の動きを身体で覚える必要があります。

長時間かかって作り上げた状態は、すぐに改善というわけにはいかないのでゆっくり取り組でいきましょう。

まとめ

ストレートネックについてのお話をしていきましたが、まずは必ずお医者さんに状態を確認してもらうようにしてくださいね。

そのうえでストレッチや運動などで改善できる場合もあるので、焦らずにゆっくり取り組んでみてください。