身体を安定させる筋肉

立ち木のポーズ

ヨガやピラティス、ファンクショナルトレーニングなどで、身体を伸ばしたり片足やバランスをとる動きなどでどうしてもグラグラしたり、腰や肩が動いてしまうというお悩みを結構聞きます。

それは筋力不足ではなく、そもそも使っている筋肉が違うのかもしれませんよ。

今回は、身体を安定させる筋肉についてです。

安定させる役割の筋肉

身体は、筋肉が骨を動かすことで動いていますが、逆に骨を安定させるためにも筋肉が使われています。

インナーマッスルと呼ばれる筋肉は、アウターマッスルに比べてどちらかというと関節の動きを安定させる働きをします。

肩のローテーターカフと呼ばれる筋肉群は、肩関節の緩い靭帯の代わりに上腕の骨を肩甲骨に引き寄せて関節が動きすぎたりしないように靭帯のような役割をします。

もちろん、肩の回旋の動きを制御しているのですが、それと同時に関節の安定にも役立っています。

他にも、股関節には深層外旋六筋という股関節の安定にも関係している筋肉があります。

深層外旋六筋は、ローテーターカフと同じように股関節の回旋運動に関係していますが、太ももの骨を骨盤に惹きつけて股関節の動きを安定させるようにも働きます。

しかし、股関節を巻き込むような足の使い方をする人は、深層外旋六筋が引っ張ら伸びて固くなってしまっていることが多くあります。

ローテーターカフや深層外旋六筋などの筋肉は、小さいため大きなアウターマッスルが先に動くと引っ張られて関節を安定させられません。

このようなインナーマッスルがきちんと動いておらずに、アウターマッスルだけで身体を支えようとすると本来の筋肉の動きではないため、微妙なバランスが必要になりやじろべえのようにグラグラしながらバランスを取ることになるわけです。

また、関節が不安定な状態で動かされるために怪我の原因になることもあります。

片足立ちでバランスが悪いという人は、深層外旋六筋がうまく使えてしないかもしれませんよ。

筋肉は引っ張り合うバランスで安定する

インナーマッスルだけでなく、筋肉同士が引き合うことでバランスが取れて安定させることもあります。

例えば、ピラティスで脚を遠くに伸ばそうとするとどうしても骨盤がずれるとか、腰が傾くという方。

四つん這いから手足を伸ばそうとすると腰が反ってしまうという方いますよね。

これらは、本来はバランスを取るために動く筋肉同士がきちんと動いていないと起きやすくなります。

脚を伸ばそうとすると腰がズレてしまう場合は、骨盤を支える腹筋とそれを引っ張る内転筋、安定に伴う深層外旋六筋のバランスが取れておらず、太ももの前や脚の重さのバランスなどで伸ばそうとしているためです。

綱引きの綱を互いに引き合っている時、全く同じ力で引き合っていると綱はピンと伸びた状態で位置が変わらずにずっと同じ位置にとどまります。

このように均等に引き合って力を発揮することで、バランスを取れる筋肉があって身体を安定させてくれます。

しかし、それらの筋肉がうまく繋がらないと無理やり持ち上げたり、伸ばそうとして他の筋肉が動くために疲れやすかったり、グラグラしたりすることになります。

まとめ

身体が安定しないのは筋力が弱いというよりは、本来使うべき筋肉が使われていないという場合の方がむしろ多いです。

使うべき筋肉が動かないと必要以上に身体が動いたり、変にバランスを取ったり、関節を無理やり固めたりすることになります。

まずは、どうような筋肉を使って身体を動かすのかというところにフォーカスを当ててみてくださいね。