”寝付きが悪い”に運動という処方箋

あくびする女性

毎日、眠ろうと布団に入っても寝付きが悪く、ついついスマホを見てしまう。

休みの日は昼過ぎまで寝てしまって、半日潰れてしまった。

そんな経験はないですか?眠りには、時間とともに質も大切な要素です。

今回は、運動と睡眠についてのお話です。

眠りと目覚めのリズム

規則正しい生活をしている人は、いつも寝る時間になると眠気が出てきて眠りにつきますよね。

同時に、朝もだいたい似たような時間に目が覚めます。

睡眠のリズムは、疲労が蓄積したことによる「睡眠欲求」と体内時計による「覚醒力」のバランスによって作られています。

「睡眠欲求」は、目覚めている時間が長くなるほど強くなり、長時間起きたままだと普段寝付きが悪くてもすぐに眠って深い眠りに入ります。眠りにつくと「睡眠欲求」は低下していきます。

対して、覚醒力は睡眠欲求よりも強くなることで睡眠欲求が強くても起きていられますが、メラトニンが分泌され始める頃に急激に低下して睡眠欲求に負けて眠気を感じ始めます。

覚醒力を低下させるホルモンであるメラトニンは明るい光の下では分泌が停止してしまうため、明るすぎる部屋やスマホのブルーライトによって睡眠が妨げられると考えられています。

スマホなどのブルーライトが睡眠を妨げるのは、覚醒力が低下しないのが理由だったんですね。

「睡眠欲求」と「覚醒力」のバランスが取れている状態が睡眠にはとても大切なのです。

睡眠と体温

赤ちゃんの手足が温かい状態になると眠たいと判断しますよね。

これは、身体が眠りに入る時に体から熱を逃して脳を冷やす熱放散という現象です。

身体は、日中に上がった深部体温(身体の中心部の体温)が夜になって下がり始めることで眠気を生じます。

しかし、日中の活動量が少ないと体温が充分に上がらず寝付きが悪いということが起こります。

リモートワークなどで、一日中家から出ずに椅子に座りっぱなしとか、休みの日も家でずっとゴロゴロしていたとなると、体温は上がらずに夜を迎えて寝付きが悪くなる原因になってしまうんですね。

また、夜遅くに激しい運動をしたり、寝る直前に熱いお風呂に入ったりして深部体温を上げてしまうと寝付きを悪くする原因になってしまうんですよ。

運動と睡眠

睡眠欲求が高まり覚醒力が低下した状態で、熱放散が起きると身体は眠りに入りやすい状態になると言えます。

日中や夕方などに運動をすれば身体が適度に疲れて睡眠欲求が高まり、しっかりと深部体温を上げられれば、3つの条件のうちの2つが満たされることになります。

運動と睡眠の関係に関する研究

実際に、運動と睡眠の関係に関する研究が筑波大学で行われ、δ(デルタ)波を検証するという脳波の新しい解析方法から、

激しい運動は、睡眠の質の主観的な改善及び客観的な深い睡眠時間の増加にはつながらないものの、より安定した深い睡眠が誘導されている、すなわち、運動を行うことで、質のより睡眠を効率的に獲得できる可能性が示唆されました。

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)

という成果が示されました。

研究では、日中の最大酸素摂取量の60%強度で1時間運動を行うと、睡眠時間の短縮や深睡眠の指標であるデルタ波が睡眠前半に集中して大幅に増加し、安定性が強化された。という結果から、

運動を行うことで、質の良い睡眠がとれ、より短時間で効率よく睡眠欲求を満たせる可能性があると結ばれています。

最大酸素摂取量の60%の運動は、カルボーネン法から目標心拍数を計算すると

50歳の人で安静時心拍数が、60拍/分ならば

(220-50歳-60 拍/分 )×60%+60拍/分となるので、126拍となります。

ややきついと感じる程度の運動を1時間とするということになりますね。

毎日これを続けるのは難しいので、週末など時間のある時にチャレンジしてしっかり睡眠を取るという方法が良いのではないでしょうか。

まとめ

今回は、睡眠を少し掘り上げてみました。

毎日の睡眠の質の低下は、慢性的な疲労にもつながってしまいます。

休みの日には家でゴロゴロではなく、身体を動かすことで睡眠改善にトライしてみてくださいね。