【素朴な疑問】関節の安定のための筋トレって?

膝同士の接触

肩や股関節、膝などの関節を痛めてしまった時に、筋力をつけて関節を安定させてくださいと言われたりしたことはないですか?

関節の安定するために筋肉をつけるとはどういうことなのでしょうか?

今回は関節と筋トレについてのお話です。

関節と筋肉

最初に関節と筋肉についてお話していきます。

関節は骨と骨のつながっている場所で、身体を動かすために必要な部位です。関節がなめらかに動かなければ動きに制限がかかったり、他の関節が代償して強い負荷がかかるなどの影響が出ます。

また、関節の周りには靭帯という組織があり関節が動く範囲を制限しています。

しかし、靭帯が伸びてしまったとか靭帯断裂という言葉の通り、靭帯は強い負荷がかかると伸びてしまったり切れたりすることもあります。

そして、関節を動かしているのが筋肉です。

筋肉は1つ以上の関節をまたぎ収縮することで関節を曲げたり伸ばしたりします。

例えば、腕の力こぶを作る上腕二頭筋は肘と肩の2つの関節をまたいでいます。

なので上腕二頭筋が強く収縮すると肘だけでなく肩の関節も動くことになります。

しかし、逆に関節の動きを制限するように働く筋肉もあります。

膝を曲げる時をイメージしてみてください。

太ももと脛の骨で構成されている膝関節ですが、膝を曲げ続けると体重が膝の前にかかって脛の骨の上から太ももの骨が前に滑り出してしまうことになりますよね。

靭帯は動きを制限しますが、靭帯だけでは体重を支えきれない場合もあります。

このような場合は、他の筋肉が膝が前に滑り出していかないように支えるように働きます。

つまり筋肉はただ関節を動かすだけの役割ではなく、関節を支える役割もあるということなんです。

フォーカスしたい筋肉は補助筋

筋肉は、関節を動かすだけでなく筋肉を支える役割があることはわかりました。

では、関節の周りの筋肉を鍛えておけば良いのかというとそういうわけでもありません。

どの筋肉はどのように関節を支えているのかがわかっていないと返って関節の動きが悪くなることもあります。

筋肉はそれぞれに関節の動きによって、主に動くもの、動きをコントロールしたり支えたりと補助的に動くものなどに分かれています。

例えば、踵を上げる動作はふくらはぎの筋肉が主に動いてはいますが、踵から爪先までの関節をコントロールしているのは、脛の側面や前の筋肉です。

これらの筋肉が弱かったり動きにくかったりすると、足首がまっすぐ上がらず外側や内側に倒れてしまったり、親指や小指に均等に体重が乗らなかったりすることになります。

主で動く筋肉ばかりフォーカスしてしまうと細かいコントロールができずに返って関節に負荷がかかってしまったりすることになってしまうわけです。

つまり、関節を安定させるための筋トレというのは、どちらかというとこれらの関節を安定できるようにコントロールする筋肉がきちんと使えるようになることが大切なのです。

もちろん、主で働く筋肉を鍛える場合、それらの筋肉も一緒に動くはずですから少なからず鍛えられはします。

しかし、それらの補助的に働く筋肉の動きが悪くて関節を痛めてしまうということもあるため、もう少し細かい動きにフォーカスしながら筋トレすると言うことも大切になってくるんですよ。

どの筋肉が大切になるかは、専門家に相談してみてくださいね。

まとめ

関節は筋肉によって動きまた支えられています。

主に動く筋肉だけでなく、目的に合わせて必要な筋肉にフォーカスして鍛えることで、日常の動きでも関節を安定させられるようになりますよ。