筋肉を知ろう(上腕三頭筋)

上腕三頭筋のトレーニング

筋肉の構造など解剖学を知ると怪我を予防して効果もアップできます。

今回は、気になる二の腕こと、上腕三頭筋のお話です。

構造

上腕三頭筋は、その名前の通り筋肉の片側が3つに別れています。

まず、肘側では尺骨肘頭という角にぶつけるとビリッとする肘を曲げるとぽっこりと出っ張る骨に付いています。

反対側が、それぞれに内側頭、外側頭、長頭に分かれています。

もちろん、名前を覚える必要はなくて、3つがどの骨に付いているかとどんな仕事をするのかが大切です。

外側頭と内側頭は、それぞれが上腕骨と呼ばれる腕の骨に付いています。

この構造から、肘だけを跨ぐ肘関節の筋肉ということがわかります。

それに対して長頭は、肩甲骨に付いています。つまり、長頭だけは肘と肩の2つの関節を跨いでいるんです。

このように上腕三頭筋はちょっと複雑な構造をしているんです。

上腕三頭筋が動くと

構造では、上腕三頭筋が3つに分かれてさらに、1つだけは関節を2つ跨いでいることがわかりました。

では、なぜそもそも3つに分かれているんでしょうか。これはそれぞれに働きが異なるからなんですね。

例えば、内側頭は肘を伸ばし始める時に動きます。

それに対して、外側頭と長頭は伸ばし切る時にお仕事をします。

また、長頭は肩関節を跨いでいるので、肩関節を軸に腕を後ろに引いたり、脇を締めたりする時にも使われています。

他にも、関節のズレを防いだり動きの途中に関節に付着している組織を動かして動きをスムーズにするなどの働きもしているんですよ。

このように、動きが異なるので二の腕を引き締めると言っても、トレーニングによっては横に太くなったりしてしまう可能性があるんです。

外側頭は大きくなると外側に広がって正面から見た時に腕が太く見えてしまうことも。

このようにトレーニングの時に収縮をイメージすると効果的ですね。

トレーニングの種類

では、それぞれはどのようにアプローチしていけば良いのでしょうか。

長頭を鍛えたい

長頭は、肘関節だけでなく肩関節も跨いでいましたよね。なので、肘を伸ばす動作にプラス腕を引く動作をすると効果があります。

なので、肘を伸ばしながら腕を伸ばす動作や、腕を後方に引いた状態で肘を伸ばす動作をすると収縮しやすくなります。また、脇を締める時にも使われるため、肘が開かないように脇を引き締めるのも大切です。

長頭を鍛えるならば、腕を引いた状態から肘を伸ばすチューブやダンベルを使ったキックバック系や、フレンチプレスなど肩を伸ばしたものが効果的です。

特に、脇を引き締めて手のひらを内側にひねるように動かすとしっかり刺激が入ります。

疲れてくると肩を引く力が弱くなって腕が下がったり、脇が開いて肘が外側に流れたりすると長頭への刺激が弱くなるのでしっかり安定させて、フォームを保てなくなったら止めることも大切ですよ。

外側頭/内側頭を鍛えたい

外側頭と内側頭は、肘関節だけをまたぎ肘を伸ばすのが主な動きになります。

なので、ケーブルプレスダウンやスカルクラッシャーなどの肩の動きが少ないトレーニングを取り入れていきましょう。

また、長頭の関与をなるべく下げるため脇を緩めて肘を開いて行うと刺激が入りやすくなります。

ケーブルダウンでは、ノーマルグリップだと比較的外側頭に入りやすく、ロープだと内側頭に効きやすくなります。

ロープで後ろ方向に引くと腕を引く動作が入るので長頭に刺激が入りやすくなるため、少し身体を前傾して真下に肘を伸ばすようにしましょう。

胸のトレーニングにも使われます

また、上腕三頭筋は肘を伸ばして押すという動作にも大きく関わっているため、胸の運動であるベンチプレスやマシンプレス系の動きでもよく使われます。このため、胸のトレーニングしかしていないのに腕が太くなるなんてこともありますよ。

特に、肩幅以下の幅でやると胸ではなく二の腕のトレーニングになってしまうので、気をつけてくださいね。

もし、腕の筋肉をあまり使いたくないという場合は、フライ系のトレーニングに切り替えれば上腕三頭筋が使われにくくなりますよ。

まとめ

どの部分を鍛えたいのか、どこの部分を大きくしたいのかでトレーニングの種類や、肘の位置などが変わってくるんです。

ちょっとしたことですが、意識してあげることで理想的な筋肉をつくることができますよ。

意識してみてくださいね。

トレーニングの画像や映像は随時追加していく予定です。しばらくお待ち下さい。